ホーム>相続対策の基礎知識
相続対策の基礎知識
相続税は、50人中2~4人の人にしか、かからない税金なのですが、税金がかかる2~4人の人にとっては、負担が重いものです。
換金性の低い財産であっても課税対象になって、税率も累進的なので、税額が億単位になることもあります。遺産分割で現金を渡さなければならない場合は、必要な現金はさらに多くなってしまうのです。
また、遺産分割協議そのものが難航していて、兄弟間の関係悪化ということにも備えなければなりません。
資金の捻出には、土地の売却で対応することになるのですが、売却が円滑に進まない可能性もありますので、事前に対策をしておくべきです。
相続税額の例
現金等が1億円しかないのに対して、税金が3億6900万円もかかってきます。
また、子供のうち2人に法定相続分3億4000万円を現金で用意することになりますと、6億8000万円が必要となります。
税金と合わせると10億円を超えて、土地のすべてを失うことにもなりかねません。
相続対策
1.節税
相続税の計算における価格(相続税評価額)は、利用形態により異なってきますので、人為的に引き下げることも可能です。
例えばアパートを建てることで、評価額はおよそ2割下がります。
2.納税資金確保
相続税の納税は現金で一括して行うのが原則なので、多額の現金が必要となります。
しかも「10ヵ月以内」と言った申告期限があり、早い段階で現金を用意しなければなりません。
多くの場合は、土地の売却で対応するのですが、思ったほど価格がつかなく、申告期限までに買い手が見つからない、といったこともありえます。
納税資金をあらかじめ用意しておくという事も、重要な対策となります。
3.遺産分割の円滑化
親がせっかく残してくれた財産をめぐって、兄弟間の関係が悪るくなってしまうのは非常に不幸なことです。
遺産分割協議がまとまらない場合には、土地を「共有」するケースが見られますが、将来的に売却等を行う際には、全員の合意が必要となり、トラブルのもとになりかねません。
あらかじめ「分割しやすい形にする」といった対策も必要となります。
間違いやすい注意点
二次相続にも注意
配偶者が遺産を相続した場合には、相続額が1億6千万円までであれば配偶者に相続税はかかりませんし、もし、1億6千万円を超えても、法定相続分(全財産の半分)までであれば税金はかかりません。
したがって、配偶者の相続分を大きくした方が、相続税額も少なくなります。(全体での)
しかし、配偶者の相続分が大きいということは、配偶者が亡くなったときの相続税額も大きくなるということで、配偶者が亡くなったときの相続を「二次相続」と言いますが、二次相続まで考慮して遺産分割のが賢明な方法と言えます。
土地活用が成功しないと意味がない
土地活用がうまくいっており、収益が順調にあがるようになると、資金が蓄積されていきます。
ただし蓄積された資金も相続財産となります。したがって、相続税額は活用前よりも増えることがあります。
そのため、「収益性が高くなると相続対策としての意味がない」「相続発生時に借入が多く残っているほうがいい」というような論調が見受けられます。
しかし、収益性が低い物件を残された家族にはどうなるでしょうか。借入をして建物を建てた場合でも、その返済に家族が苦労することになります。
これでは、「国に払うお金(相続税)が減ったのに代わりに民間(銀行)に払うお金ができてしまった」だけで、全く意味がありません。
土地活用が成功した場合には、相続税額は増えても「納税資金の確保」が達成されて、その後もご家族の安定収入につながる「優良資産」として機能します。相続対策とは言って、税額を減らす(増やさない)ことにとらわれてはいけません。
注目サイト
2019/3/20 更新